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Louis Comfort Tiffany

ルイス・C・ティファニー

(1848-1933)

著名なニューヨークの宝石商である、チャールズ・ルイス・ティファニーの長男として,1848年に生まれた。高校卒業後、 父の仕事を継がず、画家を志してフランスへ留学するが、当時ヨーロッパで全盛だった、アール・ヌーヴァーの洗礼をうけ、 次第に装飾芸術に関心を抱き,室内装飾,建築,家具、照明など多くの分野で活躍した。特にガラス工芸の分野では、ステンド グラス、モザイクグラスあるいは玉虫色に光るファブリールと命名された特殊なガラスを考案するなど、多くの功績を残した。 ジャポニズムやムーリッシュ、ヨーロッパアール・ヌーヴァーなどさまざまな様式の影響を受けながらも,ティファニー 様式とも呼ばれる独特のアール・ヌーヴァー様式をアメリカで完成させ,それを貫きとおして1933年この世を去った。

ルイス・C・ティファニーの経歴

1848 ティファニー宝石店(Tiffany & Co.)の創始者、チャールズ・ルイス・ティファニーの長男としてニューヨークに生まれる。
1868 1868年から1869年にかけて、画家を志し、フランスのパリに留学。
1878 パリ万国博覧会に油絵1点、水彩画2点を出品。
1879 ルイス・C・ティファニー&アソシエイテッドアーティスツ設立。
1882 ホワイトハウスのセミナールームを改装。
1885 ステンドグラスの工房「ティファニーグラス工房」設立。
1889 パリ万国博覧会を訪れ、エミール・ガレに感銘を受ける。
1892 ティファニー工房を「ティファニーグラス&デコレイティングカンパニー」に再構成。
サミエル・ビングによってティファニーのステンドグラス「四季」がパリに展示される。
1894 コロナにガラスの窯を設置。「ファヴリルグラス」を開発し商標登録。
1900 パリ万国博覧会でグランプリ受賞。
1917 ステンドグラス「マギの礼拝」を製作。
1933 ティファニー84歳で死去。



Charles Martin Emile Galle

エミール・ガレ

(1846-1904)

1846年5月4日,フランス北東部ロレーヌ地方ナンシーで、鏡ガラス工場を経営するシャルル・ガレの家庭に生まれる。 リセでは、優秀な成績を収め、特に詩には深い造詣を見せていた。ドイツ、ワイマールに留学し詩,文学,哲学,植物学, 鉱物学,建築学,装飾美学を修めた。植物学においては大家となり、また,再度理学を学ぶことによって,その後のガラス 製作に大きな発展をもたらせた。当時の美術界をゆるがしたジャポニズムの先導者、また象徴主義の原動力として,その 功績は画家ギュスターフ・モローと並んで、19世紀フランスの代表的芸術家として、その名をとどめている。高い教養が 裏づけとなって,ガラス芸術に投じた信念と自身ははかりしれないものであった。当時の万博や様々な展示会知識階級に 絶大な力を持っていたサロンでの成功は華々しいものであった。現在,残された作品の芸術性の高さは,比類なきものと、 今日世界的に再評価されている。1904年9月23日,白血病により、58歳の生涯を閉じた。

エミール・ガレの経歴


1846 フランス北東部ロレーヌ地方ナンシーでガラス職人シャルル・ガレに生まれる。
1874 父シャルル・ガレの工場を継ぎ、工場の管理責任者となる。
1878 パリ万国博覧会に七宝焼きとガラス器「月光色」を出品。
1884 装飾美術中央画会展に陶器、ガラス器を自作解説書つきで出品し,好評となる。
家具工房を設立。
1889 パリ万国博覧会に大量のガラス器、陶器,家具を出品。
グランプリをはじめ、幾つかの賞を獲得する。
1896 パリのシャン・ド・マルス展に家具出品。
1898 「マルケットリー技法」と「パチン素材」で特許を取得。
1900 パリの万国博覧会に大量のガラス器,家具を出品。
1901 木工芸産業の振興を目的として「エコル・ド・ナンシー(ナンシー派)が設立せれガレが初代会長となる。
1902 ドーム兄弟らと第一回トリノ現代美術展出品。
1904 58歳で死去。ガレ夫人によって工房が引き継がれ,1913年夫人が亡くなるまで「ガレ作品」が生産される。

ガレ工房の変遷


第一期工房 エミール・ガレが自ら指揮をして作品を生み出していた時代。1904年まで。
第二期工房 ガレ夫人が経営していた時代。1913年まで。
第三期工房 娘婿によって経営された時代。1936年まで。この次期に非常に多くの作品が作られた。現在アンティークとして売買 されているのは、ほとんどどこの時期のもの。当然,価格的には一期、二期,三期の順序で低くなる。

ニューヨーク・メトロポリタン美術館にはティファニーの別荘ダーレントンハウスの一部が展示されています。ニューヨークに 行く機会が会ったらぜひ訪れてみてください。